「感じ良い」暮らしを考える会

 

先日、暮らしについて考えるオンラインイベントに参加させていただいた。

「自己家畜化」という言葉が印象的だった。

 

「人間は現在の社会システムに有用な能力は、教育され伸ばされるが、あまり有用でないとされるものは、身体的能力だけでなく精神的要素や心の在り様なども退化します。この心の在り様の退化により、社会や人と人との関係性が、変わってきてしまっている」

 

社会システムに流されずに人間としてどう生きるべか?ということが常に問われていて、便利で社会システムが高度になればなるほど、人間としての大事な部分、他者への関心、思いやりに欠け、自己の内側へ閉じこもる人たちが増え、人の役に立とうという意識、弱いものへのいたわりといった倫理が薄れていってしまっているのではないか、ということが書かれていた。

人間同士のつながりが問い直されている今、改めて個人が人間としての在り方を問い直していくべきだと思った。そして自分自身も常に自分を家畜化していないか?されていないか?どうすれば、どんな心の在り方でいれば、振る舞いをするれば少しでもそこから抜け出せるのか?考えていきたいなぁと。

 

誰のためになること、良いことをすること、役に立つこと、そういう行動をしているときは前向きになれる。本の中ではそれを「感じ良い」と呼んでいる。「感じ良い」暮らしを目指そうじゃないか、と。「感じ良い」と感じられるのは、自然と感じられることではないのかもしれない、そして感じようとしないと、感じられないのかもしれない。ある程度、最低限自分が満たされていて、そしてそれを自分自身で自覚していて余裕があってこそ、そういう部分に「感じ良さ」を感じられるのではないだろうか?

まずは自分がどうすれば満たされるのか?どんな状態が満たされているといえるのか?精神面、物質面において、自分を見つめ直し考えてみるのは大事だと思った。満たされていないと思っていても、よくよく考えればもう十分満たされているじゃないか、ということもあると思う。個人が満たされるラインを下げれば下げるほど、「感じ良い」と感じられる余白の部分が自分の中で増えていくと思う。   

 

イベント詳細

はじまり商店街主催

暮らしの問いシリーズ#02

 

資料

MUJIが生まれる「思考」と「言葉」

著 良品計画